橈骨遠位端骨折
橈骨遠位端骨折について
橈骨遠位端骨折(とうこつえんいたんこっせつ)は、手首に近い橈骨の末端部分が骨折する疾患です。特に転倒時に手をついた際に発生しやすく、高齢者や骨粗鬆症のある方に多く見られますが、若年層でもスポーツや事故などで強い衝撃を受けると発生することがあります。
院長は過去に橈骨遠位端骨折診療ガイドライン委員を務めており、この疾患の治療に精通しています。骨折部の転位の大きい場合には、掌側ロッキングプレート固定による手術治療が非常に有効であり、より早期の機能回復を目指した治療を行っています。
橈骨遠位端骨折の主な症状
主な症状
手首の強い痛みと腫れ
手首の変形(フォーク状変形)
手や指のしびれや感覚異常(正中神経の圧迫による)
手首の動かしにくさや可動域の制限
橈骨遠位端骨折の診断方法
検査方法
✅ X線検査(レントゲン):骨折の有無と位置を確認
✅ CT検査:関節内骨折の評価に有用
骨折の種類やずれの程度に応じて、適切な治療法を選択します。
橈骨遠位端骨折の治療法
保存療法(骨のずれが少ない場合)
特徴
徒手整復(手で骨を元の位置に戻す)を行い、シーネや固定装具で固定
固定期間は通常4〜6週間で、その後リハビリを開始
手術療法(骨のずれが大きい場合や関節内骨折の場合)
特徴
骨のずれを正確に整復し、固定することで早期回復を目指す
当院では、伝達麻酔を用いた日帰り手術を実施
手術の流れ
1️⃣ 伝達麻酔で痛みを抑えた状態で手術を実施(全身麻酔の必要がないため、体への負担が軽減)
2️⃣ 掌側ロッキングプレートを使用し、骨を強固に内固定
3️⃣ 術後は早期からリハビリを開始し、手指や手首の機能回復を促進
伝達麻酔による日帰り手術のメリット
メリット
全身麻酔の必要がなく、体への負担が少ない
日帰りで手術が可能なため、入院の必要がない
掌側ロッキングプレートの使用により、骨の固定強度が高く、安定性が向上
早期のリハビリ開始が可能で、早期の機能回復が期待できる
合併症と注意点
主な合併症
⚠️ 神経損傷(正中神経が圧迫されることで指のしびれが生じる)
⚠️ 腱損傷(骨折部の変形やプレートの形状によっては腱が傷つく可能性がある)
⚠️ 関節の拘縮(適切なリハビリを行わないと可動域が制限される)
リハビリテーションと回復の流れ
リハビリの目的
✅ 固定期間中も指や肩の運動を行う
✅ 固定除去後は手首の可動域や筋力を回復させるためのリハビリを開始
回復の流れ
術後1〜2週間:指の動きを保つための軽い運動を開始
術後4〜6週間:装具除去後、可動域訓練と筋力強化を開始
術後3カ月:ほぼ通常の生活が可能になる
骨粗鬆症と橈骨遠位端骨折
高齢者では骨粗鬆症が関与していることが多いため、
✅ 骨折後の骨密度検査を推奨
✅ 骨粗鬆症の治療を開始し、今後の骨折を予防
当院では、骨折後の患者様にも積極的に骨粗鬆症の検査・治療を実施し、二次骨折のリスクを低減するよう努めています。
まとめ
橈骨遠位端骨折は、適切な治療とリハビリにより、良好な回復が期待できる疾患です。当院では、伝達麻酔による日帰り手術を実施し、掌側ロッキングプレートを用いた手術により、より早期の機能回復を目指した治療を提供しています。
「手首を強く打った」「手首が腫れて痛む」「指がしびれる」 などの症状がある方は、お気軽にご相談ください。
