肘の痛みや違和感
肘の疾患と治療法
肘は、腕の曲げ伸ばしや手の回旋運動(ひねる動作)を担う重要な関節であり、日常生活やスポーツで頻繁に使用されます。使いすぎや外傷による肘の疾患やケガは、痛みや可動域の制限を引き起こし、生活や仕事に大きな影響を及ぼします。 ここでは、代表的な肘の疾患とその治療法について解説します。
肘の代表的な疾患と症状
テニス肘(上腕骨外側上顆炎)
概要
- 手首や指をよく使う動作の繰り返しで肘の外側に炎症が起こる疾患
- テニスやゴルフ、パソコン作業などが原因となる
主な症状
✅ 手を握る・タオルを絞るなどの動作で肘の外側が痛む
✅ 物を持つと痛みが悪化
✅ 進行すると安静時にも痛みが出る
治療法
保存療法:ストレッチ・装具(エルボーバンド)・鎮痛薬・ステロイド注射
手術適応:保存療法で改善しない場合
ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)
概要
- 肘の内側の腱に負担がかかり、炎症が起こる疾患
- ゴルフや投球動作、パソコン作業の繰り返しが原因
主な症状
✅ 手を握る・物を持ち上げると肘の内側が痛む
✅ 指を曲げる動作で痛みが出る
✅ 進行すると手のしびれを伴うこともある
治療法
保存療法:ストレッチ・装具・鎮痛薬・リハビリ
手術適応:保存療法で改善しない場合
肘部管症候群
概要
- 肘の内側を通る尺骨神経が圧迫される疾患
- 長時間の肘の屈曲や外傷が原因となる
主な症状
✅ 小指・薬指のしびれ(特に肘を曲げると悪化)
✅ 指の動かしにくさ・握力低下
✅ 進行すると指の変形が起こる
治療法
保存療法:装具・鎮痛薬・神経ブロック注射
手術適応:神経症状が進行する場合
野球肘(離断性骨軟骨炎)
概要
- 繰り返しの投球動作による肘の軟骨・骨の損傷
- 成長期の子ども(10~15歳)に多く発生
主な症状
✅ 肘の内側または外側の痛み
✅ 投球時に痛みが強まる
✅ 進行すると関節内に遊離体(関節ネズミ)ができる
治療法
保存療法:投球制限・ストレッチ・リハビリ
手術適応:関節内の遊離体が大きい場合や、関節可動域が制限される場合
変形性肘関節症
概要
- 長年の負担や過去の外傷により、肘関節の軟骨がすり減る疾患
- 40歳以上のスポーツ経験者に多く発症
主な症状
✅ 肘の痛み・動かしにくさ
✅ 肘のひっかかり感(骨棘形成)
✅ 進行すると肘が完全に伸びない
治療法
保存療法:リハビリ・鎮痛薬・関節内注射
手術適応:関節の変形が進行し、可動域が大きく制限される場合
肘関節脱臼
概要
- 転倒時に手をついた際に発生しやすい肘の脱臼
- スポーツや交通事故などの外傷で発生
主な症状
✅ 肘の強い腫れ・変形
✅ 肘を動かせない
✅ 神経や血管の損傷を伴うことがある
治療法
保存療法:徒手整復・ギプス固定・リハビリ
手術適応:靭帯損傷や骨折を伴う場合
まとめ
肘の疾患やケガは、日常生活やスポーツ動作に大きな影響を及ぼします。特に、テニス肘やゴルフ肘は、使いすぎが原因となるため、早期のストレッチや装具による負担軽減が重要です。 また、肘部管症候群のように神経症状を伴う疾患では、進行すると指の動きに影響が出るため、早めの診察が推奨されます。
