靭帯損傷
手の靭帯損傷について
手の靭帯損傷は、指や手首の関節を支える靭帯が強い外力によって部分的または完全に損傷する状態を指します。手は繊細な動作を担う重要な部位であり、靭帯損傷が適切に治療されないと、関節の不安定性や可動域の制限が残り、日常生活に支障をきたすことがあります。
手の靭帯は、骨と骨をつなぎ、関節の安定性を保つ役割を果たしています。 スポーツや転倒、強い衝撃による外傷が原因で損傷することが多く、症状に応じて保存療法や手術療法が必要となります。当院では、手の靭帯損傷に対する手術治療や専門的なリハビリを提供し、機能回復をサポートしています。
手の靭帯損傷の主な原因と症状
主な原因
✅ 転倒や強い衝撃による手のつき方(スポーツ・事故など)
✅ 指の過伸展や過屈曲(突き指など)
✅ 手関節の過度な捻転や圧迫(ボールを投げる・受け止める動作など)
症状
✅ 関節の腫れ・内出血(特に損傷直後)
✅ 関節の痛み(動かすと強く痛む)
✅ 関節の不安定性(ぐらつきや違和感)
✅ 指や手首の可動域制限(握る・曲げる・伸ばす動作が困難)
代表的な手の靭帯損傷と治療法
手関節(三角線維軟骨複合体:TFCC)損傷
概要
- 手首の小指側にある靭帯や軟骨の複合体が損傷する疾患
- スポーツや転倒時の衝撃で発生しやすい
治療法
軽度:装具固定+リハビリ
重度:関節鏡視下手術(TFCC縫合術・部分切除術)
指の側副靭帯損傷(突き指)
概要
- ボールや物が指に強く当たり、関節の側副靭帯が損傷する
- 親指(母指MP関節)の「スキーヤーズサム」が代表例
治療法
軽度:装具固定+リハビリ
重度:靭帯縫合術(断裂した靭帯を縫合)
舟状骨靭帯損傷(SL靭帯損傷)
概要
- 手首の中にある舟状骨と月状骨をつなぐ靭帯が損傷する疾患
- 放置すると関節の不安定性が進行し、変形性関節症の原因となる
治療法
軽度:装具固定+リハビリ
重度:靭帯再建術(腱移植を用いた再建手術)
手の靭帯損傷の診断方法
検査方法
✅ 徒手検査(関節の不安定性の確認)
✅ レントゲン検査(骨折の有無を確認)
✅ MRI検査(靭帯の損傷具合を詳細に評価)
診断結果に基づき、保存療法(リハビリ・装具療法)または手術療法を選択します。
手の靭帯損傷の治療とリハビリ
保存療法(軽度~中等度の損傷)
✅ 装具やテーピングによる関節の安定化
✅ 炎症を抑える薬(消炎鎮痛薬・湿布)
✅ リハビリ(筋力強化・関節の可動域訓練)
手術療法(重度の損傷・関節不安定性が強い場合)
✅ 靭帯縫合術(断裂した靭帯を縫合し、回復を促す)
✅ 靭帯再建術(自家腱や人工靭帯を用いて損傷した靭帯を再建)
✅ 術後はリハビリを行い、関節の安定性を取り戻す
リハビリの重要性
✅ 関節の可動域回復と筋力強化
✅ 再発予防(正しい動作の習得)
✅ スポーツ復帰プログラムの実施
まとめ
手の靭帯損傷は、放置すると関節の不安定性が残り、変形性関節症や機能低下につながるリスクがあるため、早期の適切な治療が重要です。
当院では、手の靭帯損傷に対する保存療法・手術療法・専門的なリハビリテーションを提供し、患者様のスポーツ復帰や日常生活の回復をサポートします。
「指や手首をひねって痛い」「手の関節が不安定になった」「スポーツ復帰を目指したい」 などの症状がある方は、お気軽にご相談ください。