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手のリハビリテーション

手のリハビリテーション(ハンドセラピィ)

手のリハビリテーション(ハンドセラピィ)は、手や指の外傷、骨折、腱・神経損傷、関節疾患などによって低下した機能を回復させるための専門的な治療です。手は、つかむ・つまむ・押す・引く・持つといった細かい動作を担っており、わずかな障害でも日常生活や仕事に大きな影響を及ぼします。適切な治療が行われない場合、関節拘縮(関節が動かなくなる状態)や筋力低下、しびれ、痛みが生じ、生活の質(QOL)が著しく低下する可能性があります。

当院では、認定資格を持つハンドセラピストが常勤し、手外科専門医と連携しながら質の高いハンドセラピィを提供しています。ハンドセラピストは、手の解剖学や運動機能、神経・筋肉の特性に関する専門知識を持ち、患者様一人ひとりの症状や生活環境に合わせた最適なリハビリテーションプログラムを実施します。運動療法・装具療法・徒手療法・日常生活動作(ADL)訓練・疼痛管理などを組み合わせることで、機能の回復を促し、できるだけ早い日常生活への復帰や職場復帰を目指します。

手のリハビリテーションの目的

✅ 手指の可動域を回復し、関節の拘縮を防ぐ
✅ 筋力を強化し、握力やつまむ動作を改善する
✅ 神経機能の回復を促し、しびれや感覚異常を改善する
✅ 日常生活動作(ADL)を向上させ、生活の質(QOL)を高める

手のリハビリテーションの種類

 運動療法

 目的

✅ 関節の動きを改善し、拘縮を防ぐ
✅ 筋力を回復し、握る・つまむ動作を強化

 主なアプローチ

可動域訓練:関節の柔軟性を取り戻して使いやすい手に
筋力トレーニング:手や指の筋肉を強化し、動作を改善
巧緻動作訓練:指先の細かい動作(ボタン掛け・箸の使用)を練習


神経リハビリテーション

目的

✅ 神経損傷後の回復を促し、しびれや感覚異常を改善
✅ 手指の細かい動作をスムーズにする

主なアプローチ

感覚刺激訓練:触覚を刺激し、神経の回復を促す
ミラーセラピー:健側の手の動きを鏡で見ることで、神経回路を活性化
電気刺激療法(TENS):神経を刺激し、しびれを軽減


装具療法

目的

✅ 手の変形や関節の拘縮を防ぐ
✅ 手の負担を軽減し、機能的な動作をサポート

主な装具

スプリント:関節の保護や動きを制限し、正しい肢位を保持
ダイナミックスプリント:拘縮した関節の運動を補助し、可動域を改善
固定装具:骨折や靭帯損傷後の安静を保持


日常生活動作(ADL)訓練

目的

✅ 日常生活での手の使い方を改善
✅ 道具の工夫や環境調整を通じて患肢の負担を軽減

主な訓練

食事・着替え・書字などの実践的な動作訓練
自助具(握りやすいスプーン・ボタンエイド)の使用
作業環境の調整(マウスやキーボードの変更など)

手のリハビリの進め方

リハビリの流れ

✅ ① 初期評価:可動域・筋力・神経機能の評価
✅ ② 治療プランの作成:保存療法or術後リハビリの方針決定
✅ ③ 実践:運動療法・装具療法・日常生活指導の実施
✅ ④ 経過観察:機能の回復度を評価し、プログラムを調整

手の外科治療後のリハビリは、適切なタイミングとプログラムで進めることが重要です。早すぎる運動は損傷の再発を招き、遅すぎると関節拘縮のリスクが高まるため、専門医やリハビリスタッフの指示に従うことが大切です。

まとめ

手のリハビリテーションは、損傷後の機能回復に不可欠な治療であり、関節の可動域、筋力、神経機能を改善することを目的とします。運動療法、装具療法、神経リハビリ、日常生活動作訓練などを組み合わせることで、手の機能を最大限に回復させ、日常生活への早期復帰を目指します。

当院では、学会認定ハンドセラピストが常勤し、手外科専門医と連携しながら、個々の患者に適した最適なリハビリテーションを提供しています。特に、手外科術後のリハビリは、適切なタイミングで開始し、計画的に進めることが重要です。

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