TFCC損傷
TFCC損傷について
TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)とは、手首の小指側にある軟骨や靭帯が損傷し、痛みや手首の不安定性を引き起こす疾患です。TFCC(三角線維軟骨複合体)は、手首の安定性を保つ重要な組織であり、スポーツや転倒、加齢による摩耗などが原因で損傷することがあります。
特にラケットスポーツや野球、ゴルフ、柔道などの手首を酷使する動作が多い競技では、繰り返しの負荷がかかることでTFCCが損傷しやすくなります。 TFCC損傷を放置すると、手首の痛みが慢性化し、握力低下や日常生活での不便が生じるため、早期診断と適切な治療が重要です。
TFCC損傷の主な原因と症状
主な原因
✅ スポーツ(テニス・野球・ゴルフ・柔道・バスケットボールなど)
✅ 転倒時に手を強くついた際の外傷
✅ 手首の過度な回旋(ねじる動作)の繰り返し
✅ 加齢による摩耗性の損傷(軟骨のすり減り)
症状
✅ 手首の小指側の痛み(動作時や押したときに強く感じる)
✅ 手首をひねると痛む(ドアノブを回す、瓶のフタを開ける動作が困難)
✅ 手をついた際にズキッとする鋭い痛み
✅ 関節の不安定感や違和感(カクカクした感じ)
TFCC損傷の診断方法
検査方法
✅ 徒手検査(手首の回旋時の痛みや圧痛の確認)
✅ MRI検査(靭帯や軟骨の損傷の詳細な評価)
✅ レントゲン検査(骨折や変形の有無を確認)
TFCC損傷は、軽度から重度まで症状の程度がさまざまであり、診断の精度を高めるためにMRI検査を行うことが一般的です。
TFCC損傷の治療法
TFCC損傷の治療は、損傷の程度や患者様の症状に応じて保存療法(リハビリ・装具療法)と手術療法を選択します。
保存療法(軽度~中等度の損傷)
✅ 装具(サポーターやギプス)による固定(4~8週間)
✅ 消炎鎮痛薬(痛みの軽減)
✅ ステロイド注射(炎症の抑制)
✅ リハビリ(関節の柔軟性・筋力の維持)
手術療法(重度の損傷・関節不安定性が強い場合)
✅ 靭帯縫合術(損傷部分の縫合や部分切除)
✅ 靭帯再建術(重度の断裂に対し、腱移植による再建手術)
✅ 術後リハビリ(固定解除後の可動域訓練・筋力回復)
TFCC損傷のリハビリと回復
リハビリの目的
✅ 関節の可動域回復(硬くならないようストレッチを行う)
✅ 手首周囲の筋力強化(再発予防)
✅ 日常生活での負担を軽減する動作指導
リハビリの内容
手首のストレッチ・可動域訓練
握力強化(ゴムボールやグリップトレーニング)
スポーツ復帰プログラム(段階的な負荷の調整)
まとめ
TFCC損傷は、手首の安定性を損なうことで痛みや不安定感を引き起こす疾患です。特にスポーツや仕事で手首を酷使する人に多く見られ、放置すると慢性化するリスクが高まります。
当院では、TFCC損傷に対する保存療法・手術療法・専門的なリハビリテーションを提供し、患者様の手首機能の回復をサポートします。
「手首の小指側が痛い」「物をひねると痛む」「スポーツに復帰したい」 などの症状がある方は、お気軽にご相談ください。